美しい義母にたしなめられる

コスメを買いまくる夢の中の私は代議士の妻で、選挙戦の真っ只中にいた。 夜。なぜかうちの家に電話が2台並んでいて、その中の一台が鳴ったので、受話器をとると、何も言わずに、切れた。 へんなの、と思って受話器を置くと、すぐにまたもう一方の方の電話が鳴った。 受話器をとると、今度は、声がした。 コスメにうもれた夢の中では、義母(代議士の夫の母)という設定になっていた、コスメCM女優の松坂慶子さんからだった。 「まあ、あなたコスメの夢を見てただなんて、いったいどういうつもりなの。この時間に電話が二台ともつながるなんて、考えられないわ。本来ならこの時間は、必死で有権者のかたがたに最後のお願いの電話をひっきりなしにかけていて、どちらも話中でつながらないはずなのに、もしや、と思ってかけてみたら、やっぱりそう。あなた、たるんでるわよ。そんなことでよいと思っているの。さあ、今からでも電話をかけなさい」 あの独特の、とても穏かで優しい口調で、私をたしなめるように、夢の中のお義母さまはおっしゃっていた。 そういわれても、私は電話をする気にはなれなかった。 私は電話が大嫌い。電話なんて電話なんて全てこの世から消えてなくなってしまえばいいんだと思っているくらいだ。 電話かけの仕事をさせてもらっているくせに。あかんがな。という感じ。コスメでも買って帰ろう。

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